「炎の体育会TV」(TBS系)をはじめ、「秘密のケンミンSHOW極」(日本テレビ系)などで、お馴染みだったあき竹城さんが、12月15日に亡くなっていた。
あきさんは2年ほど前から大腸ガンを患い、闘病していたというが、この秋に病状が悪化。本人の希望もあって、公表せずに治療に専念していたものの、力尽きてしまった。
そんなあきさんの記者会見で強く印象に残っているのが、昭和63年(1988)1月21日、東京・日比谷シャンテのTBSスタジオで行われた、結城貢氏との交際宣言だった。
当時、あきさんは40歳。「毒舌料理人」の結城氏は47歳でバツ2だった。2人はこの2年前、結城氏の料理番組にあきさんがゲスト出演したことがきっかけで、意気投合。
その後、山城新伍がMCを務める「新伍のお待ちどおさま」(TBS系)に仲良くレギュラー出演していた。
そんな中、同番組で「独占・竹城、結城貢を押し倒し結婚へ」とのタイトルを打って生放送したことで、芸能マスコミが大挙して日比谷シャンテに集結。
放送終了後の即席会見となったわけである。
とはいえ、この「交際宣言」、当初は誰の目にも、プロレス的な番組の仕掛けと映っていた。
しかし、いざ会見が始まると、結城氏が「はっきり言って、人間的には彼女のことが好きです。芯はしっかりしていてナイーブだし」と、いつもの毒舌を封印し、まんざらでもない様子。
2人の関係について「いや、まだ手も握ってないんですよ。大人の関係なんて、そんなの全然ありませんよ」としながらも、顔を真っ赤にしてしどろもどろ。
「あきさんを見てムラムラしますか」との質問には「全然、思いません」と答え、会場を爆笑させたが、どうして、メガネ越しには真剣なまなざしが垣間見えた。
一方、あきさんも「女は何十年も待ってられないの。いいよ、どうせアタシの方から組み伏せちゃうから!」と、リップサービスなのか本音なのかわからない心情を吐露。
結局は、テレビ局による冗談半分の演出なのか、あるいは交際に向けての第一歩なのか、今ひとつわからぬまま、2人の息の合った掛け合い漫才を思わせる会見は終了したのである。
ところが翌平成元年(1989)4月、なんとあきさんが8歳年下の男性と交際3カ月で電撃入籍、というニュースが飛び込んできた。
相手は服飾関係の会社に勤めるHさん。さっそく1年前の交際宣言で話題になった結城氏に連絡すると、なんとなんと、こちらも元女優の泉じゅんと結婚間近だというではないか。
その後、あきさんが記者会見。
「今は洗濯している時がいちばん幸せ」と嬉しそうにはにかんだ、あの笑顔が忘れられない。
ご冥福をお祈りしたい。