記者バカ一代 マル秘取材メモで振り返る、昭和&平成「記者会見」裏面史

号泣!大爆笑!居直り!記者会見に見る、昭和・平成史

飯島愛 「芸能界引退後の受難」と21階建てインテリジェントビルでの「孤独死」

                              

 中学時代に両親に反発して歌舞伎町をウロつくようになり、何度も警察に捕まるも、家出を繰り返した後、六本木ホステス、整形、その後にアダルト業界入り、中絶…。

 自らの半生を赤裸々に綴ったノンフィクション小説「プラトニック・セックス」が2000年10月に発売されると、200万部に迫るミリオンセラーに。

 そんな飯島愛の著書を映画化した同名作が2001年に公開されることになり、松浦雅子監督、主演の加賀美早紀らと、原作者である飯島が都内のホテルで記者会見を開いたのだった。

 飯島を演じるヒロインの加賀美は、1万人を超える応募者の中から選ばれた現役女子高生。

 内容的な判断なのか、映画が映倫からR-15指定されたことについて飯島は、

R指定と思う大人のほうがいやらしい。実際はもっと酷かったですね。もっといやらしい女でしたよ(笑)。これは私の人生ではなくて、普通の16~17歳の女子高生が感じたりすることじゃないかと思うんです、今となってはね。作品を見ると、とても年を取って過去のことになっちゃってますから。表現は過激だけど、早紀ちゃんと同じ年くらいの女の子たちが、いちばんリアルに感じられる心情が描かれている。だから、そのくらいの年代の子たちに足を運んでもらいたいですね」

 その話題性も手伝ってか、7億円の興行収益を記録した。

 彼女は著書の印税で、渋谷駅から徒歩5分にある21階建てのインテリジェントビル最上階の1LDKを購入。そこで一人暮らしを始めたという。

 しかし、順風満帆な仕事とは裏腹に、プライベートでは絶えず不安と孤独が付きまとっていたと伝えられる。

 さらに、10代の頃から抱えていた腎盂炎と腎臓結石が、30代になって悪化。

 そして2007年3月には理由を明かさぬまま突然、芸能界引退を表明したのである。

 だが、新たに立ち上げる予定だった会社の資金を持ち逃げされたとの報道もあり、仕事面では受難が続いていたようだ。

 そして2005年9月に始めた不定期投稿ブログに「ブログ書いたのは、きっと存在価値を確認したい衝動、なんだと思う。さびしがりヤだな」と綴った2カ月後の2008年12月24日、彼女は自宅マンションのリビングでうつぶせに倒れた状態で発見されたのである。

 司法解剖の結果、警察から発表された死因は肺炎。

 死後、1週間が経過していたという。

 芸能界を引退した彼女がその後、どんな生活を送っていたのかは定かではない。

 ただ、著書のあとがきには、こう綴られている。

〈なぜ、こんな思いをしながら本を出さなければいけないの。私は得体のしれない何かと戦っていた〉

 そして同著の扉には、こんなひと言も。

〈願いが叶うと、すべてが終わる〉

 享年36。まさに駆け抜けるような生涯だった。